2020年度
「リーダーシップ開発B」

実践女子大学・人間社会学部(2年)

本授業は、履修者それぞれの強みや資質を発見し、互いに特性を活かしたチーミング、多様なリーダーシップの発揮のあり方について学ぶためのプロジェクト学習(Project based learning)型授業です。

授業概要

本授業は、大きく以下の2部構成となっています。

  1. 学生自身がワークショップを一から企画・実施するプロジェクト学習 を行います。
  2. プロジェクト学習での自らの活動・学びの振り返りを踏まえて、「学生の学生による学生のためのPBL学び方ガイド」 の作成に挑戦します。

2020年度(前期)

1年生向けゼミである「実践入門セミナー」標葉担当クラスの新入生23名のためのオンラインワークショップの企画・実施に取り組みました。なおCOVID-19感染拡大防止のため、本授業はZoomによる双方向型授業を中心に、適宜オンデマンド形式とを組み合わせた全編オンライン授業として実施しました。

授業のスケジュールは以下の通りです。(画像をクリック/タップすると全体をみることができます)
※これ以外に適宜、授業外でのグループ活動が発生しています。

学生成果物

1年生のためのオンライン・ワークショップ

架空の学生「悩み子」さんの悩みを解決する方法を1, 2年生がグループになってディスカッションしながら考えるオンラインワークショップ(90 min via Zoom)を企画・実施しました。

履修生が企画&実施したワークショップの概要

目的
  • 1年生の悩み・不安・疑問を自主性をもって分かち合いながら、解決する術を学び合おう!!
事前ワーク
  • 知りたいことや悩みなどについての匿名アンケートに回答する
  • 架空の学生(悩み子さん)の「悩み」を考えてくる
当日の流れ
  1. アイスブレイク: グループに分かれて自己紹介&Zoomホワイトボードを使ったおうち時間しりとり(ワーク13分&各グループの結果発表)
  2. 状況説明: アンケート結果の共有など
  3. メインワーク: 各グループで「悩み子」さんの悩みを解決しよう!(ワーク35分&各グループの成果発表1分ずつ)
  4. ふりかえり: 各グループで本日の振り返り(5分)
  5. おわりに: 2年生からのメッセージ&教員からの講評

学生の学生による学生のためのPBL学習ガイド

上記のオンラインワークショップ実施後、まずは履修生が自分たちの一連のプロジェクトを振り返りました。その後、その振り返り内容を元にこれから初めてPBLに挑戦する1年生向けのPBLガイドにまとめました。

自分たちの活動を振り返る

  • チームメンバーへの「ありがとう」!
  • プロジェクト&チーム活動のKPT(Keep / Problem / Try)

PBLガイドの作成

  1. ペルソナ作成: どんなタイプの学生がどのような場面でどんな困難に直面するのか・ どんなリーダーシップの発揮/チームへの貢献が可能かなど
  2. アドバイス集作成: ペルソナに応じたアドバイスをパワーポイントにまとめる。
    ※完成した以下のガイドは、出版社の編集者の方に実際にみていただき、読み手の視点からのコメント等をいただきました!

参加学生の声

本授業では「リーダーシップ」を、チームや組織で権限を持った一人のリーダーのみが発揮するものとしてではなく、「権限なきリーダーシップ」や「シェアド・リーダーシップ」などのように、チームをより良い成果に導くためにメンバーの誰もが様々な場面で発揮し合うものであるととらえています。

以下はそんな本授業を履修した学生の皆さんの声を一部抜粋したものです。

今までこのような活動の中では、積極的な子が主体となって進行や発言をして、そうじゃない子は決められた仕事をただこなすと感じていました。けれど、この授業を通して、必ず誰でも皆出来る事があり、行動をせず見つけられていないだけだと感じました。
率先してみんなを引っ張っていくのだけがリーダーでは無いと感じました。例えば友好関係を保つ人だったり、意見が出た時にまとめたり各メンバーに対しての声がけをしたりなど様々なリーダーシップの発揮のあり方があると感じました。

他にも、「本授業のプロジェクト活動&PBLガイド作成を通して、どのようなリーダーシップの発揮のあり方があると感じたか」についての学生の声をまとめると以下のような意見が出されました。

みんなを引っ張っていく

  • ワークを進める上で進行役になって、グループ仕切ってくれる
  • 積極的に発言したり、まず行動してくれる
  • アイスブレイクなどで、まず自分について説明してくれて、相手に話を振ってくれる。
  • 自分の得意なこと、苦手なこと(PowePointの作成など)を伝えあうことを促す

意見をまとめる

  • 普段は口数が少なくても、出たアイデアをまとめたり、ブラッシュアップしてくれる。
  • 意見を聞いて要約する
  • 話し合いの中で、「つまり今のはこういうことだね」などと話を整理してくれる

想像力が豊かである

  • どんなアイデアでもとにかくたくさん言ってくれる。
  • 想像豊かで突飛な発言をしてくれる。
  • さまざまな予測ができる人(こんな場合、こんな場合)

進捗を管理してくれる

  • 時間に律儀で、時間管理やミーティングのスケジューリングをしてくれる。
  • 提出期限管理をしてくれる。
  • 作業の伝達や分担など、やらなければならないことをまとめて全員に共有してくれる。
  • 言い出しにくいこと(このままだと、だらけてきそう、役割が偏りすぎだな・・など)も言える。

地道な作業も着々と

  • メモを取る。
  • 地味な作業でも真面目に取り組む。
  • 作業が早い。
  • ワーク内で使用する資料を率先して作成し共有してくれる
  • パワーポイントの作成などの作業を積極的に引き受ける.

プロジェクトを俯瞰する

  • 自分たちの出したアイデアが求められているものに合っているのか一度原点に立ち返ることをみんなに促すことができる
  • 相手の役割を把握し、役割分担の偏りを防ぐ。
  • みんなが忘れていたことや、必要になるであろう作業等に気づき、「あとこれもやったほうがいいよね」といってくれる。
  • 振り返りでも、どうすればよかったか、褒め合うだけではなく、課題も言いだせる

コミュニケーションの「場」づくり

  • グループワークで一言目を話せる人(「おはよう!」だけでも。)
  • 感謝をきちんと伝えられる
  • どんな時もニコニコして場を和ませてくれる。
  • 分からないことを気軽に聞きやすい雰囲気をつくってくれる
  • どんなことでも必ず反応やあいづちをくれる(LINEでもZoomでも)
  • 本音をぶっちゃけてくれる

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